5月25日の東京市場は、日経平均が65,158.19円(前週末比+2.87%)と65,000円台に乗せた一方、東証REIT指数は1,799.66(同-0.13%)と1,800割れを継続した。原油が急落し、金利も10年2.69%台へ低下してきたが、REITは「金利が下がれば自動的に上がる」局面ではなく、資本コストの再計算=選別が続いている。
昨日(5月25版)の読みは「最高値更新でもREITは全面買いにならない」。今回も同じだ。株の上昇はAI・半導体と単一銘柄(ソフトバンクグループ(9984)など)の寄与が目立つ一方、REITは分配金スプレッド、NAVディスカウントの意味、借換コストの上昇耐性で序列が固定化しやすい。
市場の外部環境は改善方向に見える。米国・英国・香港は祝日で主要市場の値動きは限定され、原油は下落した。だが、J-REITが直面するのは「金利水準そのもの」だけではなく、今後の借換と増資の条件だ。指数が1,800を割っている間は、割安は買いの理由ではなく、まず資本コストの再計算として扱われやすい。
5月25版は「株が強くてもREITは全面買いにならない」と整理した。翌営業日になっても、東証REIT指数は1,800を回復できていない。株の指数が上抜けるほど、REIT側は“金利が下がったか”ではなく“資本コストが下がったか”を問われる。ここが今日の連続性だ。
短期的には、10年が2.69%台に下がったことで、分配金利回りとの「見た目のスプレッド」はわずかに改善した。しかし、借換の実務は短中期の更新が先に効く。2年・5年の高さは、変動金利比率や短期テナー比率の高い銘柄ほど重い。週前半は、指数の戻りよりも、借入固定化・償還スケジュール・資産入替でDPUを守れる運営力に注目したい。
REITレンズ(スプレッド / NAV / 借換)
第一に分配金利回りスプレッド。全J-REIT平均分配金利回り4.78%(5月1日時点)に対し、5月25日の日本10年国債利回りは2.694%。単純差は約2.09%ポイントで、前日よりわずかに改善した。ただし、ここから「信用スプレッド」「固定化のコスト」「更新利率の上振れ」を引くと、余裕は銘柄ごとに大きく違う。指数が1,800を割るときは、スプレッドの“平均”より、更新金利と固定比率が先に問われる。
第二にNAV。P/NAVが低い銘柄は割安に見える一方、増資で外部成長を回しにくい。金利が高い局面では、取得利回りが資本コストを明確に上回らない限り、買ってもDPUが伸びない。今日はP/NAVだけで“割安”を語らず、資産入替・自己投資・テナント入替でNOIを守れるかを確認したい。
第三に借換。2年1.415%、5年1.950%、10年2.694%という水準は、短期・中期・長期のどのテナーでも「以前より高い金利での更新」を前提にする。REITの“選別”は、景気の良し悪しより、借入の更新条件と、ホテル・物流・住宅など各セクターの稼働が金利上昇分を吸収できるか、という勝負に移っている。
マーケットボード(基本統計)
| 項目 | 値 | 前日比 | 変化率 | メモ |
|---|---|---|---|---|
| 日経平均 | 65,158.19 | +1,819.12 | +2.87% | 史上初の65,000台。AI・半導体主導。 |
| TOPIX | 3,942.57 | +50.11 | +1.29% | 終値ベースで最高値更新。 |
| グロース250 | 843.39 | +15.07 | +1.82% | リスク許容度は高いが、REITは別ロジック。 |
| 東証REIT指数 | 1,799.66 | -2.32 | -0.13% | 1,800割れ継続。資本コストの再計算が先。 |
| 日本2年国債 | 1.415% | -0.019 | -1.32% | 変動金利の基礎圧力。短期側の高さは残る。 |
| 日本5年国債 | 1.950% | -0.057 | -2.84% | 固定化のコスト。低下しても水準は高い。 |
| 日本10年国債 | 2.694% | -0.070 | -2.53% | 低下したが2.7%近辺。借換の警戒は継続。 |
| J-REIT平均分配金利回り | 4.78% | – | May 1 | 10年JGBとの差は約2.09%ポイント。 |
| USDJPY | 158.9 | – | 最新 | 円安はホテル追い風、輸入コストには逆風。 |
| S&P 500 | 7,473.47 | +27.75 | +0.4% | 米国は5/25祝日。最終取引は5/22。 |
| Dow | 50,579.70 | +294.04 | +0.6% | 米国は祝日。リスクオンは継続。 |
| NASDAQ | 26,343.97 | +50.87 | +0.2% | AI相場の支えは続く。 |
| 米10年国債 | 4.47% | -0.11 | -2.30% | 高水準だが低下。株の追い風になりやすい。 |
| WTI原油 | 90.31 | -6.29 | -6.51% | 急落。インフレ圧力を一段緩める可能性。 |
| Brent原油 | 93.65 | -6.56 | -6.55% | エネルギー由来の物価懸念が後退。 |
| Bitcoin | 77,341 USD | – | 最新 | リスク資産の補助指標。REITへの直接影響は限定的。 |
| Ethereum | 2,112 USD | – | 2026-05-25 | デジタル資産のリスク選好確認用。 |
- ZWC: $0.0347(24h 0%)
- STD: $6.6771(24h -0.86%)
- BLD: $0.1001(24h 0%)(BLD/USDC)
- NMZ(Namazu / Coinstore): $400
昨日のJ-REIT公式発表(2026-05-25)
公式サイトの更新候補は5件。テーマは「ホテル・宿泊を含む運用実績/月次」。指数の連続性(資本コスト再計算)の中でも、稼働と単価がどこまで金利上昇分を吸収できるかを確認したい。
- インヴィンシブル投資法人(8963): ポートフォリオの運用実績(2026年4月)
- ジャパン・ホテル・リート投資法人(8985): 2026年4月度 月次開示
- スターアジア不動産投資法人(3468): ホテル運営状況(2026年4月度)
TIEセクターウォッチ
今日は、J-REITの資本コストを裏側から押し上げる「建設・不動産・資材」の更新と、指数を動かす「AI・デジタル基盤」の資金調達を優先して拾う。



